“出世フルーツ”のサービス「ウェスティン東京」

picg恵比寿ガーデンプレイスにちょっとハイソなスポーツクラブがある。受付の前には豪華なソファ、中庭にはオープンエアのジャグジー、広く開放的な室内プール、スカッシュコートは2面。ロッカールームやお風呂も広く、バスローブも上質。入会金は…とても支払える額ではなく、入会できない私たちは、ビジターで訪れることを計画した。しかし料金は1日10,000円!…それも会員の同伴が必要。そこで、スカッシュサークルで合宿を企画。ウェスティンホテルのエグゼクティブ・フロアに宿泊すると、そのクラブが無料で使用できる。規定の料金を払えばエグゼクティブじゃなくとも宿泊を断わられない。実に良い国だ。

ということでさっそく豪華な合宿を決行。初日の練習を終え(半分それが目的の)宴会も盛り上がる。帰らずに飲めるから参加したという猛者もいる。宿泊当日、参加メンバーの女の子が部屋での宴会用にイチゴを買った。チェックイン後に冷蔵庫に入れ、そのままスカッシュの練習に向かい、帰って冷蔵庫を開けるとイチゴがない。問い合わせると客室係が前日の客の忘れ物と思い、処分してしまったという。

うーん、仕方ないかと思いつつ、部屋での二次会は続く。と、チャイムが鳴る。「あれ?騒ぎ過ぎかな?隣りからの苦情?」ドアを開けると、ホテルのスタッフ。にこやかに大きなトレーを持って立っている。「この度はたいへん失礼致しました」…苦情ではないらしい。部屋に招き入れると、彼はトレーのカバーを外した。そこには大粒のイチゴがたっぷりと載った豪華なフルーツプレート。「お詫びとしてお持ちいたしました。どうぞお召し上がりください」…近所のスーパーのイチゴが、千疋屋クラスのものに出世して帰ってきた。その上、メロンやぶどう、キウィなどの盛り合わせ仲間まで引き連れて。「出世魚」ならぬ「出世フルーツ」。

「ありがとうございます。遠慮なくいただきます」イチゴを持参した女の子はちょっと目を潤ませている。「どうぞ、ごゆっくりお楽しみください」10人余りのいい大人が、酒やつまみを持ち込んで宴会をしていることを全く咎める様子もなく、スタッフは去っていった。…うぅーん、がっちりハート鷲づかみ。サービスはこうありたいなぁ。

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